さよならの続き

「どこかで食べて帰る?」
「あんまりがっつりな食欲はないかも」
「じゃあコンビニで買って、俺んちで食べる?」
「うん」

明日も仕事があるからあまり長く一緒にはいられないけど、陽太のマンションはここから車で15分程度だ。
ちなみに私のマンションからだと、会社までは乗り換えなしで20分ほど。
いい立地に安い物件を借りられてラッキーだったと思う。

「有梨のところはどんな感じ?」
「異動は3人だけだったからほとんど変わらないよ。私の島はそのままのメンツだし」

微笑んでみたけど、運転している陽太にはきっと見えていない。
言い方、おかしくなっていないだろうか。
嘘はついていないのに、なぜか後ろめたい気持ちになる。

「俺の後任って、俺らより年上なんだっけ。既婚者?」
「わからないけど、見た感じ私たちよりちょっと上かも」
「そっか、要注意だな」
「何が?」
「有梨を取られないようにしなきゃってこと」
「またそんなこと言って」

吹き出して笑ったけど、陽太はつられて笑わない。
本気で言っているのかな。
陽太が嫉妬深いイメージなんて、今まであまりなかったんだけど。