さよならの続き

部屋に戻り、只野さんにファイルを渡すと、彼女は目を丸くした。

「3冊もあったんですね。課長も手伝ってくださったんですか?」
「俺も5区の書庫の中を確認しておきたかったから、星野さんに案内してもらったんだ」
「ありがとうございました。助かりました」

只野さんは恐縮そうに私たちに頭を下げる。
航平が手伝ったことを怪しまれるかと思ったけど、そんな心配は無用だったようだ。

『会いたかったんだ』

席に着いても、さっきの言葉がぐるぐると頭の中を回る。
モニターに映る文字も数字も、頭に入ってこない。
ぐるぐる。ぐるぐる。
仕事への集中力が、全くなくなっている。