MRが営業に出ると、事務の人間がほんの数人残っているだけだ。
閑散とした室内は静かで、外線電話がかかってくることは少ない。
MRとの仕事に関するやりとりはほとんどメールで済ませるからだ。
早足の靴音が聞こえてきて顔を上げると、お局様の代わりに入って来たひとつ先の島の女性、入社4年目の只野さんだった。
「星野さん、すみません。松本さんが去年回った病院のことでメールで問い合わせがきていて。今システムがダウンしていて記録が見られないみたいなんです。紙のファイルはどこにありますか?」
松本さんというのは、只野さんが事務を担当しているMRのひとりだ。
「えっと、1階下の書庫にあります。私持ってきますよ」
「えっでも…」
只野さんは申し訳なさそうに眉を寄せたけど、まだ異動してきたばかりで余裕もないだろう。
只野さんは総務課にいたから、営業事務自体が初めての経験なのだ。
教育係をしている女性はお局様と違って面倒見のいい人だけど、彼女も今内線電話を対応していて忙しそうだ。
「私も見たいファイルがあるので、ちょうどいいですから」
「そうなんですか?それじゃお願いしてもよろしいでしょうか」
「はい。すぐ持ってきますね」
「ありがとうございます」
只野さんが大きく頭を下げて慌ただしく席へ戻って行く。
なんだか1年前の自分を見ているようで懐かしい。
閑散とした室内は静かで、外線電話がかかってくることは少ない。
MRとの仕事に関するやりとりはほとんどメールで済ませるからだ。
早足の靴音が聞こえてきて顔を上げると、お局様の代わりに入って来たひとつ先の島の女性、入社4年目の只野さんだった。
「星野さん、すみません。松本さんが去年回った病院のことでメールで問い合わせがきていて。今システムがダウンしていて記録が見られないみたいなんです。紙のファイルはどこにありますか?」
松本さんというのは、只野さんが事務を担当しているMRのひとりだ。
「えっと、1階下の書庫にあります。私持ってきますよ」
「えっでも…」
只野さんは申し訳なさそうに眉を寄せたけど、まだ異動してきたばかりで余裕もないだろう。
只野さんは総務課にいたから、営業事務自体が初めての経験なのだ。
教育係をしている女性はお局様と違って面倒見のいい人だけど、彼女も今内線電話を対応していて忙しそうだ。
「私も見たいファイルがあるので、ちょうどいいですから」
「そうなんですか?それじゃお願いしてもよろしいでしょうか」
「はい。すぐ持ってきますね」
「ありがとうございます」
只野さんが大きく頭を下げて慌ただしく席へ戻って行く。
なんだか1年前の自分を見ているようで懐かしい。



