〇近くのお寺


梨沙 「久しぶり〜」


梨沙の中学のバスケ部員が集まり元旦の昼過ぎに初詣の約束をしていたから、今日は久しぶりの自分の時間


今年集まれたのは8人、梨沙らの学年は12人いたからまあまあ集まれた方だ。
亜子も到着した。


亜子 「あれからどうよ」


梨沙 「どうもこうも会えてる訳ないじゃん」


亜子 「長期休みって嬉しいけど、悲しいね(笑)」


梨沙 「だよね(笑)でも亜子は少しは会える時間が増えるでしょ?」


亜子 「そうねぇ…絶賛喧嘩中だけどね」


梨沙 「どうして?」


亜子 「あー、…梨沙に会った後だよ」


梨沙 「え?私のせい?」


亜子 「そんなわけないじゃん、あいつ、約束をすっかり忘れて家に帰ってたのよ」


梨沙 「嘘!」


亜子 「本当よ、私何時間店にいたんだって話しよ」


梨沙 「それで来たの?」


亜子 「電話したらもう家だもん、怒って帰ったわよ」


梨沙 「それは怒って当然だけど、その後は?」


亜子 「……口きいてない」


梨沙 「謝ったんなら許してあげなよ〜」


亜子 「だけど、3回目なんだよ?彼って忘れやすいの、困っちゃう」

亜子はあきれているようだ。


梨沙 「じゃあ、別れるの?」


亜子 「考え中……」


梨沙 「そっか」


8人揃ったみたいで長い階段を登り拝みに行った。


〇ファミレス


拝んだ後、近くのファミレスに来ていた。

注文を終えるとふと陽くんの顔が浮かんだ

ちゃんと食べてるかな…

ママがいるから大丈夫と思うけど

しばらく話していると少しずつ用があるとかで人数は減っていき、亜子と2人になった。


亜子 「梨沙はさ、卒業まで何も行動しないの?」


梨沙 「バレンタインをどうしようかなって、でも学校も先輩は来ないし、こっちからはもう月末の3年生を送る会しか話せないもの」


亜子 「先輩が合格を報告してくれたら1番いいんだけどね〜」


梨沙 「うん……でも……」


亜子 「でも?」


梨沙 「休みに入ってからね、幼なじみがシンガポールから戻ってきたのよ」


亜子 「男?」


梨沙 「うん、その子の事で色々毎日忙しかったから先輩の事をあまり考えなくなっていて……私、好きじゃなくなったのかな〜って」


亜子 「まあ、なくはないよね、だって卒業したらもっと会えなくなるかもなんだよ?」



梨沙 「そう…だよね」


亜子 「帰国子女なんてかっこいいじゃない、英語話せるんでしょ?」


梨沙 「うん、でも距離が近くてとまどうの、あっ、ちょっとママにLINEしていい?」

亜子はいいよぉと言って自分も携帯を見始めた。


梨沙 〈陽くんはご飯食べに来た?〉


ママ 〈出かけるって来てないわよ〉


梨沙 〈わかった〉


出かけるってまだ何も知らないのに大丈夫なのかな……