ROCKな人魚姫《前編》



そんなあたしの気持ちを知ってのことなのか、由紀は高明くんに甘える。


「ねぇ、私、タバコ嫌いなんだけどぉ~。早く吸い終わってよ。」


聞いてるだけでイライラする。


ここは喫煙所なんだから、タバコ吸わないあなたが出ていけばいいでしょう。


あたしの聖地を汚されたくない。


由紀の甘えはまだ続く。


「私、おなかすいちゃった。ごはん食べに行こうよぉ~。」


喫煙所から、ファミレス行くのもあたしの特権なのに。


全部、由紀に持っていかれた。


「わかったよ。これ吸ったら出るから。あっ。れんも行くだろ?」



空気が読めていないのか、あたしを誘う高明くん。


「あたしいたら邪魔じゃない?」


由紀がいなければ喜んでごはんに行きたい。

正直、由紀と話が盛り上がるとは思えない。


あたしの一番苦手な女のタイプ。


これだけ、高明くんに甘えてるんなら由紀だって二人で行きたいのだろう。

あたしも遠まわしに断った事だし・・・