ROCKな人魚姫《前編》



あたしの心の叫びが通じたのか、高明くんが口を開いた。


「れん、この子、由紀。俺らと同じ学部だかられんも知ってるかな?」


知らないと言えるわけもなく、なんて言おうか考えていると、すぐに由紀が口を開いた。


「高明、私が一方的に知ってるだけだよ。れんちゃん、金髪で目立つから。私、由紀。よろしくね。」


「あ、ああ、よろしくね。」


あたしの名前も知っていた。

だから、特に自己紹介しなくてもよいと思い、一言返事をするとタバコの煙を吸い込んだ。

高明くんのこと、呼び捨てだし・・・。


それにしても、しばらく話をしない間にこんなに親しい人ができたのか。


高明くんの背中についていく姿はまるで、ちょっと前のあたしみたいだ。


そこのポジションはあたしだったのに。


彼女がいると聞かされた時以上のショックを受けた。



そして、そのショックはだんだんと嫉妬へと変わっていく。