ROCKな人魚姫《前編》



「かなりいいんじゃない?これならシノブも納得するよ。」



本当にいい出来だった。


これなら、来週の練習はシノブに文句言われないと思う。


他の曲も前回よりかなりお互いに腕をあげた。



気づくと、部室を使える時間が過ぎていた。


「じゃあ、片付けるか?」

「そうだね。また喫煙所行くでしょ?」


ベースをケースにしまいながらユウをちらっと見る。


「あー、俺、このあと用事あっからすぐ帰るわぁ。」

「そっか。」


そっけなく返事をするけど、本当はすごく残念。


ここで何か、女の子らしい仕草でもできれば、また違うのだろう。


あたしには、普通でいることが精一杯。



「また来週ね~。」


部室を出て、ユウは喫煙所とは逆方向へ向かった。