少し前を思い出すと当然、高明くんのことを思い出す。
「でね、同じ学部に噂になるほど仲がいい奴がいたんだ。ユウとシノブに出会わせてくれたのもそいつのおかげでさ。」
学部が違うから、エミは高明くんのことは知らない。
噂も、学部を飛び越えるほどは広まっていなかった。
「あっ。じゃあ、その人も気になってるとか?」
エミをちらっと見て、またアルコールを流し込み、ユウに決めたいきさつを話した。
近くにいる人のほうが気になってしまう。
バンドをやっている以上、この先もユウと接する機会が多くなるし、二人のことで悩んでいたが、ユウにあたしは絞った。
「…だって、好きな人が二人いるなんておかしいでしょう?」


