ROCKな人魚姫《前編》




「あっ。えっと…ユウ、おはよう。チョコ食べる?」


相変わらず、話したいのに話題が浮かばす、突然訳わかんないこと言ってしまったと、声を出した後で後悔してしまったが、


「おっ。サンキュー。」


と、チョコを受け取るためにあたしに近づいてきたので、かばんからチョコを取り出し手渡した。



一粒の小さいチョコ。


差し出されたユウの掌にチョコを乗せると、あたしの指先がユウに触れた。


ほんの一瞬の感触だけじゃ物足りず、もっとユウに触れたいという気持ちが体中を駆け巡る。



その欲望は叶うはずもなく、自分の気持ちを懸命に落ち着かせた。