ROCKな人魚姫《前編》



深呼吸をしてから部屋に戻った。


「ユウ、何だって?」


さっきまで、電話に出なくてもいいような素振りだったのに、普通に聞いてきた。


やっぱりシノブだって気にしてるじゃんと思いつつ、


「歩いてここまで来るって。」


と伝えた。


そうして、またあたしたちは、練習を再開させた。




ベースを弾きながらも、さっきのシノブが納得できなくて考えていた。


心配しているなら、自分が電話でればよかったのに。

あたしが電話出るより、シノブが電話で道教えたほうが早いのに。



シノブがどうして電話に出なかったのか、納得できる答えを自分で見つけることは出来なかったが、考えても仕方ないと頭を切り替え、練習に集中した。