ROCKな人魚姫《前編》




「あーあいつにも、れんと同じタイミングでメールしたんだよ。そしたら、俺のメールで起きたらしくて、遅刻するって。だから、先行くぞ。」



シノブは、あたしのベースをトランクに入れながら、少しだるそうにそう言った。


「あーそうなんだ。それじゃ、先行ってるしかないね。」


遅刻したことに少し腹立たしさを覚えつつも、シノブの車で今日の練習場へと向かった。




車で約10分くらい走っただろうか。



もし、シノブが迎えに来てくれなかったら、
ベースを担いでこの距離を歩いたのかと思うと具合が悪くなりそうだった。


5月とはいえ、もう初夏の陽気。


快適にここまで来れたことをシノブに感謝した。