「ん、なに…?」



「また、お腹の消毒してくれる?」

「っ!」



最近の楽しみ…明里をからかうこと。

君が何かを勘付くたびに、俺は君をからかう事にしようか。

そして、話をはぐらかすんだ。



だからね、明里。

君はそのまま、何も知らないでいて。



――プライド、か
――そんなもの、とっくの昔に捨てたよ



暴走族としてのプライドは捨てた。

だけど、俺はどうやら、

君にだけ持ち合わせるプライドがあるらしい。



「ねぇ蒼羽、だから質問に、」

「ゼリーいる?」

「もう!口移しではいらないってば!」



君の目には、いつも大胆で不敵に笑う…

そんな余裕のある俺が写っていてほしい。

そんなちっぽけな、俺のプライド。




「ねぇ、蒼羽って何でいつも笑ってるの…?」

「さあ、」




なんでだろうね




おれのちっちゃなプライド

明里には絶対、教えてやらない。






*蒼羽*end