そして少しだけ目を開いて、伏し目がちに喋り始める。



「メチャクチャっていうけど…大抵の暴走族はそうだけどな」

「え…そうなんですか?」

「ウチ(温厚派)が特別なだけだ。ケンカに断固反対する子がいるからな」



その時の春風さんの目に…何だか美月さんが写っているようで…。

だから、なのかな。

春風さんは、柔らかい笑みを浮かべていた。



「(きっと素敵な関係なんだろうな…)」



彼氏彼女か…。

美月さんも美人だったし、春風さんもイケメンだし。

美男美女で、まさにお似合いのカップルだなぁ。



「(いつか私も…)」



想像した時に、まっさきに出てきたのは優利。

そして次に…蒼羽。



「(ん?)」



蒼羽!?



「(いやいや、ないない…落ち着いて私…!)」



まるで観光地にある顔はめパネルみたいに、優利と蒼羽が交代で浮かび上がる。

その隣には、嬉しそうな私の笑顔。