どうして私が病院に行ったのか
どうして美月さんを知ったのか
どうして美さんに会いたいのか


そして…



「【月光】の総長に会って、伝えたい事がある…それだけなんです」

「……ふぅん」



壁に寄りかかり、腕を組んで私を見ていた男の人。

私の話を全て聞き終わると「無害、でいいか」とポツリと呟いた。

そして今までの怖い顔が一変。

ふッと笑いながら私を見降ろすその顔は…本当に絵になって、思わず見入ってしまう。



「君、手間が省けたな。

俺が【月光】の総長、春風生吹だ」

「……え?」



一瞬、何を言われたか…

全く理解が出来なかった。



「え、あの…ん?」

「君の言う美月は、俺の彼女で正解だ。よく分かったな」