「今日はここに泊まる」

「お、お腹空いたし、」

「じゃあ、」



俺を食べて?



そう言った蒼羽に、今度こそキスをされる。

キスをされて、されて……されて、され尽くした、その時に。


少しも呼吸が乱れていない蒼羽は「そう言えば」と荷物を見た。



「これからはお互いのアパートを行き来するだろうし、何でもを2セットずつ置いたら便利だよね」

「はぁ、はぁ……そうだね…ッ…」



キスの時の息遣いなんて知らない私は、若干顔を青くしながら答えた。

でも、顔を青くしたのは、私だけじゃなかった。



「明里…2セットずつ揃える前にさ」