とびきりの大粒の涙が、瞳から零れる。

そして、それはある物の上に静かに着地した。

それは…ポケット。



「(そう言えば、この中に……)」



自分のポケットに大事な物が入っている事に気が付く。

それは、美月さんが貸してくれたお守りのハンカチ。



――あの時の私は、動いて良かったって本当に思えるから
――蒼羽くんの事が気になるなら、追いかけてあげて
――じゃないと、絶対に後悔するから



優利と仲直りするためのお守り。


だけど美月さん…いいですか。


お願いごとをもう一つ…

追加してもいいですか?



「優利、ごめん。私…後悔したくないの」