「ご、め……ごめん、蒼羽……っ」



蒼羽に知られてしまった。

最悪の形で伝えてしまった。

どうして私が蒼羽に近づいたのかを。

今一番エールを送りたい人に言ってしまった。



「ごめん蒼羽…っ」



蒼羽を見ることが出来なくて、目を閉じた私。

自分が情けなくて、涙がポロポロと零れる。

だけど、蒼羽は…



「…知ってたよ」



そう言って、握っていた私の手に力を籠めた。



「え…知ってた…?」

「うん。初めから…知ってた」



ぎゅっと力を込めたのを最後に…蒼羽は私の手をゆっくりと離す。

そして立ち上がった。



「ほんと…倒しても倒しても、だね…」



蒼羽の目の前、どこを見ても暴走族だらけだった。

数は、まだまだ多い。



「明里…本当に逃げて。ここからは俺も守り切れないから」

「蒼羽…何言ってんの…、?」



いや、嫌だよ…



「蒼羽も、この窓から出てきて…一緒に行こう…?」