その後、私は夜野くんに連れられて家に来た。


そういえば午後の授業サボっちゃったなぁ。

午前も優利の病院に行ってたから、丸一日授業を受けてない事になる…。



「(明日先生に怒られませんように…!)」



祈る私をしり目に、夜野くんは「着いたよ」と、1棟のアパートを前にして口を開いた。



「大きい…」

「一人暮らしだけどね」



そう言って夜野くんは「さ、どうぞ」と目の前に伸びる階段へ、私を促した。



「…えっと、お先にどうぞ。私が先頭を歩いても、お部屋分からないですし」

「遠慮しなくていいから。ほら」



夜野くんは、トンと私を押して階段を上がらせた。

後ろに彼がいると思うと…かなり緊張する。



「(何で私がわざわざ前に…?あ、)」



もしかして品定めされてる…⁉



観察されてるかも!と思って後ろを見ると、夜野くんと目が合った。


ニコリ



「(何を考えているか分からない笑みを浮かべられても…)」



心の中でため息をついた時、夜野くんに「ストップ」と言われる。

部屋番号は202号室。