スキがない総長の大胆な溺愛

「(そんな…蒼羽っ!)」



蒼羽に目をやる。すると、ちょうど頬に拳を受けた時だった。


ガシャン‼


蒼羽は私たちのいる窓際まで、すごい勢いで飛ばされる。



「あおば……蒼羽ぁ……っ」

「はぁ、はぁ……、」



壁にもたれかかって、肩で息をしている蒼羽。

よく見ると、服がジンワリと赤く染まっている。

それは、お腹を中心に広がっているようだった。



「まさか優利を庇ってたなんて…っ」



私、知らなかった。

蒼羽の事を、本当の事を…

ずっと知らないままだった。



「どうして言ってくれないの…っ」