「ッ!」



嵐太の顔は笑っているものの…ひどく歪み、ひきつっている。

誰が見ても真っ当な人間の顔ではない。異常者だ。

それは血縁関係のある優利が見ても同じだった。



「血が繋がっているとは思えないツラだ…。警察に追われてると聞いたぞ。皆に迷惑をかけて…恥ずかしくないのかよ」



嵐太を強く、強く強く睨む優利。

だけど嵐太は、さっきの言葉はまるで自分に言われたと思ってないような飄々とした態度。


そして…


この状況であるにも関わらず、優利と蒼羽に背を向けた。



「ヘラヘラした愚弟の言う事なんて耳にも入れたくねぇな」

「…クソ兄貴が…っ!」



悔しそうな優利を見た嵐太が「おい」と、近くにいた仲間に声を掛ける。



「後は頼む。ヤツらを完膚なきまでボコって、寝言も言えなくしてやれ」