スキがない総長の大胆な溺愛

「おい夜野がタイマンでケンカしてるってよ!」
「おー誰は相手なんだよ?」
「知らねぇ。でも見に行くしかねぇだろ!場所は――」



「!!」



蒼羽!!



アーケード街を走り抜けていく不良たち。

その声は、オープンテラスにいた私たちの耳に簡単に届いた。



「ねぇ、明里ちゃん…夜野って、」



不良の後ろ姿を追っていた美月さんが、喋りながら私に振り向いた時。


私の姿は、もうそこにはなかった――











私が美月さんの前から姿を消した頃。

広い廃墟の中で、二人は向かい合っていた。



「わざわざ休日に悪いな」



そう言ったのは、優利。

そして向かい合っているのは…

優利の言葉に頷いた、蒼羽。



「教室にいる俺をわざわざ呼び出してまで交わした約束だからね。守るよ」