スキがない総長の大胆な溺愛

「(待って、蒼羽……。

あなた今、どこにいるの?)」



ギュッ



胸の前で握り締める手が震える。

私の知らない所で、蒼羽に何かが起こっているんじゃないかって、一気に不安になった。



「(蒼羽…っ)」



心の中で名前を呼ぶことしか出来ない。

足が地面にくっついて、鉛のように動かない。

私は蒼羽に何度も助けてもらったのに…。

蒼羽の身に何かが起きてるかもしれない、そんな肝心な時に動けない私。

それが嫌で…自分に幻滅する。



「…………、」

「明里ちゃん、息!息をしてっ?」

「(あ……私、今…)」



まるで時間が止まっていたみたいに、息をすることを忘れていた。

美月さんの声で我に返ると、一気に息苦しくなって勢いよく呼吸をする。



「はぁ、はぁ……っ、」



そんな私を見た美月さんは、私の背中にピタリと手を当てる。

そして、さっきよりも落ち着いた声で、ゆっくりと…



「大丈夫だから、落ち着いて。明里ちゃん」