すごく想像できない…!

けど、ありえない事じゃないよね…。

だって…



「デートが楽しみでテンション上がって…それで昨日の様子が変だったのかもしれないし」



いや、でも待てよ。

あの蒼羽がデートを楽しみにする…?



「(やっぱり、ないか)」



意外に純情な蒼羽を想像して…口元が緩む。

ま、あの蒼羽に限ってそんな事はないか。



「なんだ、良かった」



ん?

「良かった」って…なに?

突然に出た言葉に、自分が混乱する。



「蒼羽がデートじゃなくて、ホッとしてるって…そういう事?」



思わずおでこに指を乗せて「考える人」のポーズをとる。

だけど、その先を考える暇はなかった。

なぜなら、目の前に何かがひらりと落ちたから。



「(落とし物?)」



慌てて拾うと、それは白いハンカチだった。

アルファベットの「J」の文字が書いてある。



「あの、ハンカチを落としましたよ?」