蒼羽に対し異変を感じ取っていた私。
そんな金曜の夜。
同時刻。
私の知らない所では、こんな会話が繰り広げられていた。
「なあ嵐太の弟。お前は夜野を恨んでるか?」
「そりゃ…恨んでるさ」
「じゃあ俺らが手伝ってやる。だから一緒に倒そうぜ、夜野蒼羽を」
「……」
不気味に、薄気味悪く笑う不良を、真っすぐに見つめた「その人」。
その口元には、ニヤリとした笑みが浮かんでいた――
翌日。土曜日。
蒼羽は昨日の宣言通りに出かけていた。
しかも朝から。
一方の私は、家に一人いてもやることがないから、今日は久々にショッピングを楽しんでいる。
といっても、ウィンドウショッピングだけど。
「一人暮らしは何かとお金がかかるからねぇ…」