春風さんと会った日以来。
なんとなく蒼羽の纏う空気が柔らかくなった気がする。
なんとなく…だけど。
「気のせい…って事はないと思うんだけど…」
あのトゲトゲしたオーラが減ったような。
サボテンから棘が一本ずつ抜けていくような…。
「そして丸坊主になる頃には、蒼羽の性格も丸くなるのかな…」
そんな事を思って「ふふ」と笑った、その時。
「明里!!」
「……あ、しまった」
学校で、優利と会ってしまった。
会ってしまったというか、隣の教室だから絶対会うに決まってるんだけど…。
久しぶりに登校した直後に見つかるなんて…。
優利はよほど私に会いたかったらしい。
全ては、私に質問するために…。
「明里!見つけたぞ、お前今までどこで何して!」