今日も同じ時刻に、私の部屋の扉は開かれる。



「……」



あれ?来ない。

もう少し、待ってみようか。



「……」



やっぱり来ない。

あれ?



「…仕方ない、自分で起きちゃおう」



現在、朝の八時。

これ以上あの人を待っていたら遅刻しちゃうから、いい加減に起きなくちゃ…。



「にしても、どうして迎えに来てくれないの?

本当なら今頃、布団をとられて急かされながら準備してるはずなのに…」



ボブのブラウン色の髪をクシでとく。

うん、今日もいい感じに毛先が内巻きになって良かった!



「アイロンいらずで楽だよねぇ~♪」



私の名前は、日向 明里(ひなた あかり)。高校一年生。


実家とは離れた高校に通っていて、現在一人暮らし。


慣れない生活に最初は大変だったけど、一年が経とうしている今。


「今年の桜はいつ開花かな~」なんて思う余裕があるほど、のんびりと三月を過ごしてる。



そして、なんで私が実家と離れた高校を受験したかと言うと…


とある人を追って来たから。


そのとある人の所へ。

今から会いに行く。