二人で必死にスマホの画面を覗き込む。
側から見たら、謎光景だよね。
「あー、あった。これ。」
「これか!柚ちゃんぽいなぁ〜」
確かに、パッケージに花柄の刻印が彫られてて、柚の華やかな雰囲気にぴったりのリップクリーム。
「これまたスクショ送っといてくんね?」
手を合わせて私にいう雄介。
「しょうがないなぁ。」
「やっぱり持つべきものは友だよなぁ!!」
がははと豪快に笑いながら、私の肩に手を回す雄介。
雄介はテンションが上がると、肩を組む癖がある。
柚の欲しいものがわかってだいぶテンションが上がってるんだろう。
「桃先輩。」
「…あ、冬野椿。」
約束通り現れた冬野椿。
…なんかすごい不機嫌に見える。
昼間の機嫌はまだ治ってないみたい。
なんか嫌なことでもあったのだろうか。