「桃先輩は可愛い。」



また真っ直ぐ目を見て届けられる言葉。



…誤魔化したのに意味がない。


また簡単にその目に捕まってしまった。



「と、と、年上をからかうのもほどほどにして。」



そう言って奴を置いて、先を歩いた。



こう言うことさらっと言えることろが…嫌いだ。



こんなこと言われ慣れてない私は、奴の行動に毎日混乱させられてばかり。



…悔しい。弄ばれてるってわかってるのに。



会うたびに『桃先輩は可愛い』と言ってくる。




「桃先輩!じゃあまた電話しますね!」



「…しなくていいから。」



連絡先を強制的に交換させられてからは、夕方から夜の間に毎日電話がかかってくる。



通話時間こそ長くないものの、毎日毎日よく電話できるよね。




何を考えてるのか本当にわからない。彼への疑問は深まるばかり。