「今からカラオケ行くんだけど椿も行こうよー!!」
可愛い女の子がそう声をかける。
…あんなに可愛い友達がいるんだ。
「今日桃先輩と帰るから!!」
校門の前で大声を上げるやつに、冷や汗をかく。
学校一の人気者と歩くだけでも視線を感じるのに、こんなの公開処刑みたいじゃん。
「ぞっこんかよ!」
不服そうな表情を見せる可愛い子たちに対して、楽しそうに冷やかすイケメンたち。
…女の子たちの視線が痛い。
「…行けばいいじゃん。カラオケ。」
私なんかといるより、あの可愛い子たちといた方が楽しいに決まってる。
「桃先輩との時間のほうが大切なんで。」
じっ、と目を見て伝えられると捕まえられた気持ちになって、目が離せなくなる。
きゅっと胸が締まる。
「…何言ってんの。」
なんとか目線を逸らして誤魔化す。