なのに、冬野椿はなんで私に絡んでくるのかわからない。
にこにこしながら嬉しそうに隣を歩く奴を見上げる。
…やけに整った顔。
きめ細やかで綺麗な肌、自然な茶髪、鼻も高くて、人懐っこい笑顔、高い身長。
誰かどう見てもイケメンって言うと思う。
実際に学校では超有名人の人気者。
社交的で性格も明るい。
きっと彼からしたら私は、ただの暇つぶしなんだろうと思う。
学年1かわいい女子の隣にいつもいる、やたら大きい女に興味が湧いただけなんだろう。
まあそのうち飽きて、絡んでこなくなるだろう。
そんなことを考えながら、校門までの距離を奴と二人歩く。
「あ、椿ー!!」
背後から聞こえた騒がしい声に振り返る。
「おう!」
奴の、友達らしい。
そこにはかわいい女の子が数人と、イケメンが数人。