そろそろか。
正直気付いていた。
いつまでも私を好きでいるはずは無い
こんな私をずっと好きでいても報われないだろうと気付いてしまったんだろう。

2月14日バレンタインに告白をしたい。
私はそう思ってチケットを買っていた。
シュウが某遊園地に私と行きたいと言ったから、関東ではかなりイルミネーションが人気の遊園地だった。
イベントに頼らないと何も出来ない私は
自分で言うのも嫌だが、ほんとに情けない女だなとつくづく思いながら、
その日が来るのを待っていた。

けどやっぱりだめだった。
1月が終わろうとしている頃に、
シュウから電話が鳴った。
私は嫌な予感と、通知が来たことが嬉しくて
でもあえて2回着信音が響くのを待ってから
通話に出た。
「もうこういうのやめよっか」
悲しそうに、でも泣かずに、しっかりとした口調でシュウは答えてきた。
「なんで付き合えないのか分からない」
真っ直ぐにずっと言おうと決めていたんであろう言葉を私に伝えた。
その時私はなんて答えたか、正直思い出せない。
思い出せないほどに頭が真っ白になった。

今まで経験したことがないから分からなかったけど、自然と涙が溢れるとはこういうことかと思いながら、
電話の向こう側に居るだいすきな人の声を
耳に閉じ込めるように聞いた。
その後も淡々と話し続けるシュウの声は
段々と聞こえなくなって言ったのだけ覚えている。

どこかでまだ、大丈夫と思っていた。
位置情報のアプリがあるので電話が切れてすぐ気になってそれを見た。
何となく、外にいるような音が聞こえたから、
シュウは立川駅にある昭和記念公園に居た。

もし、今から会いに行ったら、
もし、直接話せたら、

そう思って泣きながら家を飛び出した私は
立川駅まで向かって
会えると信じて探してみたけど、
シュウは見つからないままだった。