新そよ風に乗って ④ 〜焦心〜

「そうだったんですか……。高橋さんは……ケイティさんと……前からお知り合いだったんですか?」
言葉が、まだ途切れ途切れになってしまい、何とも恥ずかしい。
「ああ。向こうに行ってた時、だいぶお世話になった。ケイティさんのことも、何度も会って知っていた」
そうだったんだ。
「だから、今は話せないって……私に言ったんですね。ヒクッ……」
「そうだ。仕事だからな」
高橋さん。
『仕事だ』 『勤務時間中は、ビジネスに徹して欲しい』 と言ったのは……。
「たとえ理不尽だと感じても、自分の思いと違っていても、それを口に出さずに徹しなければならない時もある。それが、仕える事。仕事というものだ」
「はい。申し訳……ありません……でした」
高橋さんの今は話せないと言った意図が理解出来なくて、それで自暴自棄になってあんな酷いことまで言ってしまった。
「フッ……。今は、もう仕事中じゃない」
「ごめんなさい。本当に」
「自分で、何を言ったか分かってるのか?」
高橋さんの言葉に、黙って頷くしかない。
馬鹿だな、私。遊びでも良かったなんて、言わなければ良かった。
「遊びでも良かった……か。何が、楽しかったからだ。酷い言われようだな」
「ごめんなさい」
「謝って済む問題じゃないだろ?」
呆れた口調で話す高橋さんを見ていてまた涙が溢れて、シートを倒されているのでその涙が目尻を伝っていく。その涙を高橋さんがまた拭ってくれた。
「貴ちゃん。傷ついた」
ハッ!
た、貴ちゃんって……。
「お詫びに、飯付き合え」
高橋さん。
「あの……」