高橋さんとタクシーに乗って行った女性が、目の前に立っている。
頭の中が混乱して、どうして自分が此処に居るのかも、よく分からなくなっていた。
「矢島さん?」
名前を呼ばれて咄嗟に高橋さんを見ると、目で握手をするようにと視線を動かした。
「あ、あの……」
「私、日本人と日系アメリカ人のハーフなの。だから、日本人みたいに見えるかもしれないけど、アメリカ人なのね。よろしく、陽子」
あっ……。
ケイティさんという人は、私の右手を取って半ば強引に握手をした。
日本人と日系アメリカ人とのハーフ。
高橋さんと、一緒にタクシーに乗った女性。
『矢島さんでないと、駄目なんだ』
大事な視察。私でないと駄目って……。
「今日、凄く楽しみにしてきたの。高橋にお願いしたら、OKしてくれたから」
楽しみにしてきた? 高橋さんにお願いしたらって?
「わくわくする」
「じゃあ、そろそろ行きましょう。何処から見たいですか?」
「うん。やっぱり、最初は渋谷」
「渋谷ですね」
高橋さんは、ジャケットの内ポケットから折りたたんだ紙を取り出すと、何か印を付けた。
「それじゃ、行きましょうか」
「うん。渋谷、どんなTownかな」
部屋を出て行こうとする高橋さんと女性の後ろ姿を見ながら、体が拒絶反応を示すかのように一歩も動かない。そして、高橋さんと女性の姿が見えなくなってしまった。
高橋さんと女性と一緒に3人で、何処かの視察に行くなんて無理だ。
「矢島さん?」
すると、高橋さんだけが部屋に戻ってきた。
「どうかしたのか?」
頭の中が混乱して、どうして自分が此処に居るのかも、よく分からなくなっていた。
「矢島さん?」
名前を呼ばれて咄嗟に高橋さんを見ると、目で握手をするようにと視線を動かした。
「あ、あの……」
「私、日本人と日系アメリカ人のハーフなの。だから、日本人みたいに見えるかもしれないけど、アメリカ人なのね。よろしく、陽子」
あっ……。
ケイティさんという人は、私の右手を取って半ば強引に握手をした。
日本人と日系アメリカ人とのハーフ。
高橋さんと、一緒にタクシーに乗った女性。
『矢島さんでないと、駄目なんだ』
大事な視察。私でないと駄目って……。
「今日、凄く楽しみにしてきたの。高橋にお願いしたら、OKしてくれたから」
楽しみにしてきた? 高橋さんにお願いしたらって?
「わくわくする」
「じゃあ、そろそろ行きましょう。何処から見たいですか?」
「うん。やっぱり、最初は渋谷」
「渋谷ですね」
高橋さんは、ジャケットの内ポケットから折りたたんだ紙を取り出すと、何か印を付けた。
「それじゃ、行きましょうか」
「うん。渋谷、どんなTownかな」
部屋を出て行こうとする高橋さんと女性の後ろ姿を見ながら、体が拒絶反応を示すかのように一歩も動かない。そして、高橋さんと女性の姿が見えなくなってしまった。
高橋さんと女性と一緒に3人で、何処かの視察に行くなんて無理だ。
「矢島さん?」
すると、高橋さんだけが部屋に戻ってきた。
「どうかしたのか?」

