「会社のために良いか悪いかは、会社が決めることです。黒沢さんや私が決めるようなことではない。もしも専務が、黒沢さんがおっしゃるように私的なことを優先してそのようなことをすれば、それこそ会社のためにならないのでは?」
高橋さん……。
「どういう意味ですの?」
黒沢さんが、高橋さんを睨みつけた。
「そういう意味です。お分かりにならないですか? 公的なことより、私的なことを最優先するような会社では、先は見えているということですよ」
「ああ。馬鹿馬鹿しい。そんな公私の区別もつかないような父ではありません。馬鹿にしないで下さい」
エッ……。
でも、最初に言ったのは黒沢さんなんじゃ……。
「それは、失礼しました。確かに、役員は冷静な判断と目利きが必要とされるはずですから、詳らかな事情も把握しないまま、そんな安易に物事を推し進めたりはしないはずですからね」
高橋さんは、黒沢さんに意味深な言い方をした。
「それから、部長」
高橋さんは、再び部長の席の方を振り返った。
「何かね?」
部長は、先ほど高橋さんが渡した書類に目を通しながら顔を上げた。
「誤字がありましたので、事後承諾ですが直させて頂きました」
「そ、そうか。助かるよ」
「では、失礼します」
高橋さんが、またこちらを向いた。
「戻るぞ」
「えっ? あっ、は、はい。失礼します」
高橋さん……。
「どういう意味ですの?」
黒沢さんが、高橋さんを睨みつけた。
「そういう意味です。お分かりにならないですか? 公的なことより、私的なことを最優先するような会社では、先は見えているということですよ」
「ああ。馬鹿馬鹿しい。そんな公私の区別もつかないような父ではありません。馬鹿にしないで下さい」
エッ……。
でも、最初に言ったのは黒沢さんなんじゃ……。
「それは、失礼しました。確かに、役員は冷静な判断と目利きが必要とされるはずですから、詳らかな事情も把握しないまま、そんな安易に物事を推し進めたりはしないはずですからね」
高橋さんは、黒沢さんに意味深な言い方をした。
「それから、部長」
高橋さんは、再び部長の席の方を振り返った。
「何かね?」
部長は、先ほど高橋さんが渡した書類に目を通しながら顔を上げた。
「誤字がありましたので、事後承諾ですが直させて頂きました」
「そ、そうか。助かるよ」
「では、失礼します」
高橋さんが、またこちらを向いた。
「戻るぞ」
「えっ? あっ、は、はい。失礼します」

