「何事も現実から逃げてばかりじゃ、何も始まらないし、終わらない。そうだろう?」
「はい……」
「たとえ、お前がミスをしたとしても、そういう時のために中原や俺がいるんじゃないのか?」
「でも……」
「でもじゃない。何度も言わせるな。それとも、俺達では不服か?」
「い、いえ……・そんな。決して、そんなつもりじゃ……」
高橋さんが、顔を覗き込むようにして私を見た。
そんなこと、あるわけない。もし、そんな風に思い違いされていたら困る。絶対、そんなことないもの。
「だったら、目の前のことから逃げるな。起きたこと、起こしたことは、現実的に何をしようとも戻せないし、反せない。それを自覚することも大切だ」
「はい……」
「もう、軽々しく辞める等と言うな。分かったか?」
「はい。申し訳ありませんでした」
結局、私は……高橋さんに助けられてばかりで、情けないな。
「帰るぞ」
「はい。お疲れ様でした。失礼します」
高橋さんは、エレベーターの方に向かって歩き出したので、見送りながら高橋さんの背中をずっと見つめていた。
こんな時に不謹慎かもしれないが、その歩く後ろ姿はモデルがランウェイを歩いているように見えてしまう。それぐらい、高橋さんの後ろ姿と歩く姿は素敵だった。そんな高橋さんの部下で、まだ居られるのかな? でも、きっと明日、黒沢さん経由で部長に怒られそうで、何を言われるか分からない。そう考えると、やはり明日の朝が来るのが怖い。
高橋さん……。
その背中に心の中で呼びかけてから、警備本部の方に向かって歩き出そうとした。
「矢島さん」
エッ……。
「はい……」
「たとえ、お前がミスをしたとしても、そういう時のために中原や俺がいるんじゃないのか?」
「でも……」
「でもじゃない。何度も言わせるな。それとも、俺達では不服か?」
「い、いえ……・そんな。決して、そんなつもりじゃ……」
高橋さんが、顔を覗き込むようにして私を見た。
そんなこと、あるわけない。もし、そんな風に思い違いされていたら困る。絶対、そんなことないもの。
「だったら、目の前のことから逃げるな。起きたこと、起こしたことは、現実的に何をしようとも戻せないし、反せない。それを自覚することも大切だ」
「はい……」
「もう、軽々しく辞める等と言うな。分かったか?」
「はい。申し訳ありませんでした」
結局、私は……高橋さんに助けられてばかりで、情けないな。
「帰るぞ」
「はい。お疲れ様でした。失礼します」
高橋さんは、エレベーターの方に向かって歩き出したので、見送りながら高橋さんの背中をずっと見つめていた。
こんな時に不謹慎かもしれないが、その歩く後ろ姿はモデルがランウェイを歩いているように見えてしまう。それぐらい、高橋さんの後ろ姿と歩く姿は素敵だった。そんな高橋さんの部下で、まだ居られるのかな? でも、きっと明日、黒沢さん経由で部長に怒られそうで、何を言われるか分からない。そう考えると、やはり明日の朝が来るのが怖い。
高橋さん……。
その背中に心の中で呼びかけてから、警備本部の方に向かって歩き出そうとした。
「矢島さん」
エッ……。

