勿論、社長室に入るのは初めてだったが、こんなに広い部屋が奥にもあることに、改めて社長の威厳さと偉大さを目の当たりにしたようだった。秘書室とは、全然違う。いつも、社長室と繋がっている隣の秘書室には何度か来たことはあったけれど。社長だからこそ、こういう部屋に居られるんだ。会社のために、尽力を注いできたからこその空間。
きっと、高橋さんは何度も訪れているんだろうな。臆せず部屋の中に入ろうとして振り返り、私を先に入れてくれるとドアを閉めた。
「まあ、掛けて」
「はい。失礼します」
社長に座るように言われて高橋さんが座ったので、それに習って隣に座った。
「時間もないことだから単刀直入に言うが、君達2人のことで何やら良からぬ噂を耳にしたんだが……。あくまでも、噂は噂でしかない。事実関係を確認するには、当人に直接聞くのがいちばん確かで早いと思ったもんでね。高橋君。どうなんだ?」
緊張と怖さで背中がゾクッとした途端、体の震えが止まらなくなってしまった。
やっぱり、社長の耳にも入っていたんだ。嫌な予感は、当たっていた。でも、誰から? 専務から? それとも……。
「私事で、ご心配をお掛けしまして、申し訳ございません。その件につきましては、社長に憂慮頂くようなことはございませんので」
膝がガクガク震えて、両手で必死に押さえていた。
私とのことで社長にまで呼ばれて……高橋さんに迷惑を掛けてしまって、哀しい気持ちでいっぱいだった。
この先、どうなってしまうんだろう?
社長は……。
「そうか。それなら、何も言うことはない。扱ってるものがものなだけに、一応、確認しておきたかっただけなんだよ。君達は、お互い独身なわけだし、私がどうこう言うことでもない。色々、雑音が入ってくると、確認すべきことは確認しておかないと気が済まない質でな」
気のせいか、社長が私を見る目は鋭かった。こんな状況だから、鋭く見えてしまったのかもしれない。後ろめたいことは、何もしていないんだけれど……。
「とんでもございません。今回、このような事態になりましたのも、私の不徳の致す限りでございます。社長が懸念されるようなことは、何も。今までも、また将来的にもそういったことは、ございませんので」
エッ……。
きっと、高橋さんは何度も訪れているんだろうな。臆せず部屋の中に入ろうとして振り返り、私を先に入れてくれるとドアを閉めた。
「まあ、掛けて」
「はい。失礼します」
社長に座るように言われて高橋さんが座ったので、それに習って隣に座った。
「時間もないことだから単刀直入に言うが、君達2人のことで何やら良からぬ噂を耳にしたんだが……。あくまでも、噂は噂でしかない。事実関係を確認するには、当人に直接聞くのがいちばん確かで早いと思ったもんでね。高橋君。どうなんだ?」
緊張と怖さで背中がゾクッとした途端、体の震えが止まらなくなってしまった。
やっぱり、社長の耳にも入っていたんだ。嫌な予感は、当たっていた。でも、誰から? 専務から? それとも……。
「私事で、ご心配をお掛けしまして、申し訳ございません。その件につきましては、社長に憂慮頂くようなことはございませんので」
膝がガクガク震えて、両手で必死に押さえていた。
私とのことで社長にまで呼ばれて……高橋さんに迷惑を掛けてしまって、哀しい気持ちでいっぱいだった。
この先、どうなってしまうんだろう?
社長は……。
「そうか。それなら、何も言うことはない。扱ってるものがものなだけに、一応、確認しておきたかっただけなんだよ。君達は、お互い独身なわけだし、私がどうこう言うことでもない。色々、雑音が入ってくると、確認すべきことは確認しておかないと気が済まない質でな」
気のせいか、社長が私を見る目は鋭かった。こんな状況だから、鋭く見えてしまったのかもしれない。後ろめたいことは、何もしていないんだけれど……。
「とんでもございません。今回、このような事態になりましたのも、私の不徳の致す限りでございます。社長が懸念されるようなことは、何も。今までも、また将来的にもそういったことは、ございませんので」
エッ……。

