「Distance=距離。お前と俺には距離があり過ぎるってことを、仁は言いたかったんだ」
「えっ?」
仁さんは、そのことを高橋さんに言いたかったの?
「多分、本当に俺に言いたかったことは、そこだ」
「あの、それは……。高橋さんと私とでは、住む世界が違うってことですか?」
高橋さんが、ジッと私の目を見たまま視線を逸らさない。そんなにジッと見つめられると、だんだん息が苦しくなってくる。
「お前がそう思うんだったとしたら、そうなんじゃないのか?」
暗闇の中で、凄い勢いで走ってきた流鏑馬の弓矢に、胸を突かれたような痛さを感じ、耐えきれなくなって高橋さんから視線を外して少し離れようと体を後ろにずらした。
「少なくとも、俺はそうは思っていないし、仁もそうは言ってないとは思うが」
まるで絵に描いたように、高橋さんの言葉で一喜一憂しながらまた高橋さんを見た。
「お前は、もっと自分に自信を持て」
高橋さんのそんな優しい言葉ひとつにも、ジワッと涙が溜まってきてしまう。私、何時からこんなに涙腺が緩くなっちゃったんだろう? 必死に瞳を上に向けて涙を堪えているのに、堪えようとすればするほど逆効果で、右目から涙が溢れてしまった。
「フッ……。相変わらず、泣き虫は直らないな」
高橋さんが、左手の親指で涙を拭ってくれる。
「仁が言いたかったことは、もっと俺にしっかりしろってことだ」
「へっ?」
肝心なところで、間抜け声になってしまった。
「ハハッ……。お前、こんなところで、何笑い取ってんだよ」
だって……。
恥ずかしさと悔しさから、口を尖らせてた。
「まあ、そういうことだ。で?」
高橋さんが、右手でまた肘枕を作って、悪戯っぽく笑いながら私の顔を覗き込んだ。
な、何?
「は、はい?」
「陽子ちゃぁん? 仁とベランダで、なぁに話してたのかなぁ? 何やら、俺には聞かれたらまずいことだったのかなぁ?」
う、嘘。
「えっ?」
仁さんは、そのことを高橋さんに言いたかったの?
「多分、本当に俺に言いたかったことは、そこだ」
「あの、それは……。高橋さんと私とでは、住む世界が違うってことですか?」
高橋さんが、ジッと私の目を見たまま視線を逸らさない。そんなにジッと見つめられると、だんだん息が苦しくなってくる。
「お前がそう思うんだったとしたら、そうなんじゃないのか?」
暗闇の中で、凄い勢いで走ってきた流鏑馬の弓矢に、胸を突かれたような痛さを感じ、耐えきれなくなって高橋さんから視線を外して少し離れようと体を後ろにずらした。
「少なくとも、俺はそうは思っていないし、仁もそうは言ってないとは思うが」
まるで絵に描いたように、高橋さんの言葉で一喜一憂しながらまた高橋さんを見た。
「お前は、もっと自分に自信を持て」
高橋さんのそんな優しい言葉ひとつにも、ジワッと涙が溜まってきてしまう。私、何時からこんなに涙腺が緩くなっちゃったんだろう? 必死に瞳を上に向けて涙を堪えているのに、堪えようとすればするほど逆効果で、右目から涙が溢れてしまった。
「フッ……。相変わらず、泣き虫は直らないな」
高橋さんが、左手の親指で涙を拭ってくれる。
「仁が言いたかったことは、もっと俺にしっかりしろってことだ」
「へっ?」
肝心なところで、間抜け声になってしまった。
「ハハッ……。お前、こんなところで、何笑い取ってんだよ」
だって……。
恥ずかしさと悔しさから、口を尖らせてた。
「まあ、そういうことだ。で?」
高橋さんが、右手でまた肘枕を作って、悪戯っぽく笑いながら私の顔を覗き込んだ。
な、何?
「は、はい?」
「陽子ちゃぁん? 仁とベランダで、なぁに話してたのかなぁ? 何やら、俺には聞かれたらまずいことだったのかなぁ?」
う、嘘。

