「ん? それは……」
高橋さんは、私と同じ位置のところまで頭を下にずらして、自分の右腕を枕にしながら向かい合うように視線を合わせた。
ち、近い。近過ぎですって、高橋さん。
近過ぎる高橋さんの顔に、ドキドキしてしまう。
「仁は、昔から俺に真面目な話をする時は、決まって茶化して言ったりするんだよ」
「そ、そうなんですか?」
高橋さんが話していると、息が顔に掛かる。
「昔、俺が一時荒んで、駄目人間だった時があって……」
エッ……。
思わず、目を見張ってしまった。高橋さんが、荒んでいたって……。駄目人間だった時が あったなんて。
「フッ……そんなに驚くな。俺だって、ダメダメちゃんだった頃もあったんだから」
何故か、私が恥ずかしくなって、思いっきり首を竦めてしまった。
「その頃に、俺は最低なことを仁にした」
「最低なことって……」
最低なことって、何だろう?
「ん?」
一瞬、高橋さんが視線を外し、また直ぐに視線を戻すと深く息を吸い込みながら口を開いた。
「仁の彼女を取った」
う、嘘。
まさか……どうして? それなのに、何で? 何で、今でもこんなに仲が良いの?
高橋さんと仁さんは、無二の親友って感じに私には見えていたのに、そんな過去があったなんて。
「それで、駄目人間を卒業してから、直ぐ仁にその時のことを謝ったんだ。そうしたら、仁は俺に向かってこう言ったんだ。それだけの女だったってこと。お前のゲームもやっとGame Overになったんだから、それでいいジャンってね」
そんな……仁さん。
「凄いだろ? 敵わないと思った」
仁さんの、あの直球で来る会話の中の言葉や優しい配慮の裏には、そんな過去が秘められていたなんて知らなかった。それに、仁さんにも驚いたけれど、高橋さんが荒んでいて駄目人間だった時があったことにも驚かされた。こんなに、誰にでも分け隔てなく優しくて、大人で、人間が出来ていると思っていた高橋さんに、そんな時期があったとは。まして、仁さんの彼女を取ったなんて、信じられなかった。
高橋さんは、私と同じ位置のところまで頭を下にずらして、自分の右腕を枕にしながら向かい合うように視線を合わせた。
ち、近い。近過ぎですって、高橋さん。
近過ぎる高橋さんの顔に、ドキドキしてしまう。
「仁は、昔から俺に真面目な話をする時は、決まって茶化して言ったりするんだよ」
「そ、そうなんですか?」
高橋さんが話していると、息が顔に掛かる。
「昔、俺が一時荒んで、駄目人間だった時があって……」
エッ……。
思わず、目を見張ってしまった。高橋さんが、荒んでいたって……。駄目人間だった時が あったなんて。
「フッ……そんなに驚くな。俺だって、ダメダメちゃんだった頃もあったんだから」
何故か、私が恥ずかしくなって、思いっきり首を竦めてしまった。
「その頃に、俺は最低なことを仁にした」
「最低なことって……」
最低なことって、何だろう?
「ん?」
一瞬、高橋さんが視線を外し、また直ぐに視線を戻すと深く息を吸い込みながら口を開いた。
「仁の彼女を取った」
う、嘘。
まさか……どうして? それなのに、何で? 何で、今でもこんなに仲が良いの?
高橋さんと仁さんは、無二の親友って感じに私には見えていたのに、そんな過去があったなんて。
「それで、駄目人間を卒業してから、直ぐ仁にその時のことを謝ったんだ。そうしたら、仁は俺に向かってこう言ったんだ。それだけの女だったってこと。お前のゲームもやっとGame Overになったんだから、それでいいジャンってね」
そんな……仁さん。
「凄いだろ? 敵わないと思った」
仁さんの、あの直球で来る会話の中の言葉や優しい配慮の裏には、そんな過去が秘められていたなんて知らなかった。それに、仁さんにも驚いたけれど、高橋さんが荒んでいて駄目人間だった時があったことにも驚かされた。こんなに、誰にでも分け隔てなく優しくて、大人で、人間が出来ていると思っていた高橋さんに、そんな時期があったとは。まして、仁さんの彼女を取ったなんて、信じられなかった。

