グッと胸が押さえつけられているようで、言葉が出てこない。当たり前のことだけれど、高橋さんはミサさんを大事にしていた。今でも、忘れられないぐらいに……。
「行動では器用に振る舞えても、心に二股は掛けられない。それは自分がいちばんよく分かっているからこそ、陽子ちゃんのことも大事だし、でも心にはまだ吹っ切れない何かがある。だから、そんな自分の心と葛藤しているんだと思う。そういう奴なんだよ、貴博は。都合が良すぎると言われれば、それまでだけど。でもそんな貴博も、俺はリスペクトしてるから」
「仁さん。高橋さんにとって、ミサさんて……」
聞きたい感情が大きくなって、そんな言葉を口走っていた。
「ん? それは、俺が話すべきことじゃないと思う。貴博が話したくなったら、きっと何時か話してくれるんじゃないかな?」
「そ、そうですよね。ごめんなさい。変なことを、聞いてしまって」
高橋さんが話さないことを、仁さんや明良さんから聞くことはやっぱりおかしいもの。分かっているはずなのに、つい聞いてしまったことが恥ずかしかった。
「恋愛に関して男と女では、考え方も捉え方も違う気がするんだ」
男と女では、考え方も捉え方も違うの?
仁さんが、煙草に火を点けながら、ポケットから携帯灰皿を出した。
「人それぞれだから一概には言えないけど、1つの恋が終わったとすると、女性は次に恋をした時、前の恋に上書き保存する。男は、名前を付けて保存する。その違いが、時にお互いを見えなくする時があるんじゃないかな」
仁さん……。
「感じているかもしれないけど、貴博はずっとそんな感じだから。はっきりしないとか言われて、女の子の方から去っていくパターンが多いんだよ。でも貴博は追わないし、それはそれでいいと思ってるところもあるから。だけど、陽子ちゃんには今までと少し違うような感じもするんだ。そんな貴博の心の声を、聞いてやって欲しい」
心の……声?
「でも、私……次元の低い人間なんで、高橋さんに付き合おうとも言われてないし……。本当に、このまま高橋さんの傍に居ていいのかと思ったり……何だか、自信がなくて……」
「行動では器用に振る舞えても、心に二股は掛けられない。それは自分がいちばんよく分かっているからこそ、陽子ちゃんのことも大事だし、でも心にはまだ吹っ切れない何かがある。だから、そんな自分の心と葛藤しているんだと思う。そういう奴なんだよ、貴博は。都合が良すぎると言われれば、それまでだけど。でもそんな貴博も、俺はリスペクトしてるから」
「仁さん。高橋さんにとって、ミサさんて……」
聞きたい感情が大きくなって、そんな言葉を口走っていた。
「ん? それは、俺が話すべきことじゃないと思う。貴博が話したくなったら、きっと何時か話してくれるんじゃないかな?」
「そ、そうですよね。ごめんなさい。変なことを、聞いてしまって」
高橋さんが話さないことを、仁さんや明良さんから聞くことはやっぱりおかしいもの。分かっているはずなのに、つい聞いてしまったことが恥ずかしかった。
「恋愛に関して男と女では、考え方も捉え方も違う気がするんだ」
男と女では、考え方も捉え方も違うの?
仁さんが、煙草に火を点けながら、ポケットから携帯灰皿を出した。
「人それぞれだから一概には言えないけど、1つの恋が終わったとすると、女性は次に恋をした時、前の恋に上書き保存する。男は、名前を付けて保存する。その違いが、時にお互いを見えなくする時があるんじゃないかな」
仁さん……。
「感じているかもしれないけど、貴博はずっとそんな感じだから。はっきりしないとか言われて、女の子の方から去っていくパターンが多いんだよ。でも貴博は追わないし、それはそれでいいと思ってるところもあるから。だけど、陽子ちゃんには今までと少し違うような感じもするんだ。そんな貴博の心の声を、聞いてやって欲しい」
心の……声?
「でも、私……次元の低い人間なんで、高橋さんに付き合おうとも言われてないし……。本当に、このまま高橋さんの傍に居ていいのかと思ったり……何だか、自信がなくて……」

