新そよ風に乗って ④ 〜焦心〜

「何だ? 明良の雄叫びは」
「どうしたんでしょうか?」
すると、高橋さんは首を傾げただけで、別段驚いたような様子もなかった。
あの声は明良さんだったけど、どうしたんだろう? 何か、あったのかな?
それから間もなくして階段を下りてくる音がしたので、気になって後ろを振り返った。
「だから、仕方ないジャン」
「でも、どうする?」
「それじゃ、仁君。2階で、一緒に寝ようねえ」
「えっ? お前と? まあ……仕方ないか」
明良さんと仁さんが、何だか一緒に寝ると言っている。
「そういうことだから」
「どういうことだよ?」
「だから、貴博は陽子ちゃんと一緒に寝てね」
ハッ!
な、何?
「まったく……何でそうなるんだよ」
「だって、俺と陽子ちゃんが一緒だと、俺、何するか分かんないよお? 貴ちゃん。それでもいいの?」
高橋さんが、怪訝そうな顔で明良さんと仁さんを交互に見ているが、さっぱり何のことか分からない。それに気づいたのか、明良さんがこちらを向いた。
「あのさ、修理が終わってると思ってた、2階の手前の部屋の雨漏りがまだ直ってなくて、 1つ部屋が使えないんだ。だからダブルベッドの部屋とツインの部屋しかないから、そうなると……ね? 男2人でダブルベッドって、無理があるでしょ? それに、俺も仁もその気はないし。だからといって、まさか俺と陽子ちゃんが一緒に部屋じゃ、貴博が怒っちゃうし……。そういうことだから、ごめん! 陽子ちゃん。貴博と、下の部屋で一緒に寝てくれる?」
「えっ?」
高橋さんと一緒にって……嘘。