「あの、それは……」
言い掛けたその時、左手に持っていた携帯電話が鳴り出した。仁さんから電話が掛かってくることになっていたから、着信音をONにしたままマナーモードにするのを忘れていた。
「電話、出た方がいいんじゃない?」
「す、すみません。ちょっと、失礼します」
そう言うと、仁さんは運転席のドアを開けて車に乗った。
ごめんなさい、仁さん。
「も、もしもし?」
「陽子? おはよう」
電話の声は、まゆみだった。
「おはよう」
「なかなか出ないから、切ろうかと思ったわよ」
「ごめんね」
「何? もう出掛けたの?」
携帯電話越しに聞こえてくるまゆみの声はやけに明るくて、朝からテンションが相変わらず高い。
「ううん。今、ちょうど迎えにきて下さったんだけど……」
「だけど、何? まさか、陽子。まだ迷ってるとか、言わないでよ?」
うわっ。
まゆみに、見透かされている。
「あのね、いろいろ考えたんだけど、何となく行かない方がいいかなって思うんだ。それに、やっぱり高橋さんを騙すようなことは良くない気がして」
「そんな硬い考えじゃ、駄目だって。いい? ハイブリッジと仲の良い友達がサプライズを仕掛けようとしてるんだよ? そこに陽子が必要だって言われたことは、かなり光栄なことなんだから」
まゆみ……。
「確かに、結果的に言えばハイブリッジを騙すことになるかもしれないけど、でも陽子はハイブリッジから何も聞かれてないわけなんだから、応えようがないじゃない」
「そうなんだけど……」
「陽子が本当にハイブリッジのことが好きなら、ハイブリッジのことをもっとよく見た方がいい。普段、陽子と2人だけで居る時の奴のことは陽子もだいぶ分かってる面もあるだろうけど、友達も含めて何処かに出掛けた時の奴の態度は、こんな時にしか見られないんだからチャンスだよ?」
「チャンス?」
言い掛けたその時、左手に持っていた携帯電話が鳴り出した。仁さんから電話が掛かってくることになっていたから、着信音をONにしたままマナーモードにするのを忘れていた。
「電話、出た方がいいんじゃない?」
「す、すみません。ちょっと、失礼します」
そう言うと、仁さんは運転席のドアを開けて車に乗った。
ごめんなさい、仁さん。
「も、もしもし?」
「陽子? おはよう」
電話の声は、まゆみだった。
「おはよう」
「なかなか出ないから、切ろうかと思ったわよ」
「ごめんね」
「何? もう出掛けたの?」
携帯電話越しに聞こえてくるまゆみの声はやけに明るくて、朝からテンションが相変わらず高い。
「ううん。今、ちょうど迎えにきて下さったんだけど……」
「だけど、何? まさか、陽子。まだ迷ってるとか、言わないでよ?」
うわっ。
まゆみに、見透かされている。
「あのね、いろいろ考えたんだけど、何となく行かない方がいいかなって思うんだ。それに、やっぱり高橋さんを騙すようなことは良くない気がして」
「そんな硬い考えじゃ、駄目だって。いい? ハイブリッジと仲の良い友達がサプライズを仕掛けようとしてるんだよ? そこに陽子が必要だって言われたことは、かなり光栄なことなんだから」
まゆみ……。
「確かに、結果的に言えばハイブリッジを騙すことになるかもしれないけど、でも陽子はハイブリッジから何も聞かれてないわけなんだから、応えようがないじゃない」
「そうなんだけど……」
「陽子が本当にハイブリッジのことが好きなら、ハイブリッジのことをもっとよく見た方がいい。普段、陽子と2人だけで居る時の奴のことは陽子もだいぶ分かってる面もあるだろうけど、友達も含めて何処かに出掛けた時の奴の態度は、こんな時にしか見られないんだからチャンスだよ?」
「チャンス?」

