「あ、あの……それは、多分……きっと無……」
エッ……。
すると、高橋さんが座っている私を後ろから少し屈むようにしてギュッと抱きしめた。
「だぁかぁらぁ。今から貰おうと思って」
も、貰うって……。
高橋さんの言葉に、肩を縮こませてしまった。
「あ、あの、高橋さん? な、何を差し上げればいいんですか?」
「何にしようか?」
高橋さんが、意地悪な口調で耳元で囁いた。
「そ、そんな、高橋さん。い、意地悪しないで下さい」
焦りながら噛みまくって、酷い言い方になってしまっている。
「ちょ、ちょっと、高橋さん。待っ……」
椅子の後ろから私を抱きしめていた高橋さんが、私の腕を掴んで立たせるとソファーへと連れて行った。
「キャッ……」
そして、覆い被さるように私をソファーに押し倒すと、高橋さんの左手が右頬をそっと撫でて倒された拍子に乱れた髪をサイドに掻き分けてくれた。
本当に、心臓が口から飛び出しそう。
「もう、あいつは遠くに行くから安心しろ」
エッ……。
あいつとは、遠藤主任のことだろう。
高橋さんを見ると、真顔で私の目をジッと見ながら、穏やかでとても優しい瞳をしてくれていた。
「高橋さん……」
私の呼びかけに、高橋さんは声ではなくて、 「ん?」 という感じで少しだけ小首を傾げ、僅かに口角をキュッと結んで薄い唇の形を作ってみせた。
「この前、明良さんと3人で食事をした帰りに、高橋さんのお家に泊まるように言って下さったのは、ひょっとして……遠藤主任が私の家に来るって分かっていたからですか?」
昨日、調査書を見せてもらった時から、どうしても腑に落ちなくて不思議に思っていた。
何で、あの時……。高橋さんは、私に高橋さんの家に泊まるように言ったのか。もし、護身術を教えてくれるためだったとしたら、あんなに真剣に泊まれと言っただろうか? それに、途中までは明良さんも泊まると言っていたのに、明良さんは自分の家に帰ってしまって……。
「電話が、あったんだよ」
「電話?」
「そう。お前が帰り運転している時に、俺の携帯に連絡が入って……まあ、そういう情報だったってこと」
そういえば……あの時、確かに高橋さんは、電話が掛かってきて助手席で電話をしていた。
明良さんと静かにしてなければと思って、高橋さんが電話をしている間は黙っていた記憶がある。あの電話が、そうだったんだ。
「そんなことは、もういい。済んだことだ」
高橋さんが、私の顎を左手の親指と中指で少しだけ上を向かせた。
エッ……。
すると、高橋さんが座っている私を後ろから少し屈むようにしてギュッと抱きしめた。
「だぁかぁらぁ。今から貰おうと思って」
も、貰うって……。
高橋さんの言葉に、肩を縮こませてしまった。
「あ、あの、高橋さん? な、何を差し上げればいいんですか?」
「何にしようか?」
高橋さんが、意地悪な口調で耳元で囁いた。
「そ、そんな、高橋さん。い、意地悪しないで下さい」
焦りながら噛みまくって、酷い言い方になってしまっている。
「ちょ、ちょっと、高橋さん。待っ……」
椅子の後ろから私を抱きしめていた高橋さんが、私の腕を掴んで立たせるとソファーへと連れて行った。
「キャッ……」
そして、覆い被さるように私をソファーに押し倒すと、高橋さんの左手が右頬をそっと撫でて倒された拍子に乱れた髪をサイドに掻き分けてくれた。
本当に、心臓が口から飛び出しそう。
「もう、あいつは遠くに行くから安心しろ」
エッ……。
あいつとは、遠藤主任のことだろう。
高橋さんを見ると、真顔で私の目をジッと見ながら、穏やかでとても優しい瞳をしてくれていた。
「高橋さん……」
私の呼びかけに、高橋さんは声ではなくて、 「ん?」 という感じで少しだけ小首を傾げ、僅かに口角をキュッと結んで薄い唇の形を作ってみせた。
「この前、明良さんと3人で食事をした帰りに、高橋さんのお家に泊まるように言って下さったのは、ひょっとして……遠藤主任が私の家に来るって分かっていたからですか?」
昨日、調査書を見せてもらった時から、どうしても腑に落ちなくて不思議に思っていた。
何で、あの時……。高橋さんは、私に高橋さんの家に泊まるように言ったのか。もし、護身術を教えてくれるためだったとしたら、あんなに真剣に泊まれと言っただろうか? それに、途中までは明良さんも泊まると言っていたのに、明良さんは自分の家に帰ってしまって……。
「電話が、あったんだよ」
「電話?」
「そう。お前が帰り運転している時に、俺の携帯に連絡が入って……まあ、そういう情報だったってこと」
そういえば……あの時、確かに高橋さんは、電話が掛かってきて助手席で電話をしていた。
明良さんと静かにしてなければと思って、高橋さんが電話をしている間は黙っていた記憶がある。あの電話が、そうだったんだ。
「そんなことは、もういい。済んだことだ」
高橋さんが、私の顎を左手の親指と中指で少しだけ上を向かせた。

