『悪いが、矢島さんには関係ないことだ』 高橋さんの言葉が、チクチクと胸に突き刺さる。
「矢島さん?」
中原さんが、心配してくれている。
「す、すみません。何か、早とちりしちゃったみたいで、私の勘違いだったみたいです。お騒がせして、すみませんでした」
「そう……それなら、いいんだけど」
中原さんは、それ以上は何も言わずに、また視線を書類に戻してくれたので内心ホッとした。中原さん。心配して下さったのに……ごめんなさい。
高橋さんの言葉に疎外感いっぱいになりながら、伝票の整理と15日締めの処理に追われていた。
ようやく15日締めの処理が終わったので帰ることになったが、今朝、会社に来る前まではとても今日の帰りが楽しみだったのに、今はその帰る時間になってしまったことが憂鬱な気持ちに変わっている。
2階で中原さんと別れて、高橋さんと一緒に地下2階の駐車場に向かう途中、ふとランチタイムで社食に行った時にも、高橋さんからのメールを貰ったという会話を耳にしたことを思い出していた。
でも、私には関係ないことだと高橋さんに言われてしまい、何も分からないまま。こんなことだったら、まゆみに聞いてみるんだった。まゆみなら、何か知っていたかもしれない。
分からないとなると、尚更、気になってしまう。どんな内容なのか、想像すらできないし……。
「何、ボーッと一点を見つめて考え込んでいるんだ?」
エッ……。
気付くと、高橋さんの車はすでに会社の駐車場を出ていて、信号待ちで高橋さんがこちらを見た。
「いえ、別に何でもないです」
昼間の話を考えていたなんて、言えない。しつこいと、思われたくないもの。
「役員会の件、まだ気にしているのか?」
「い、いえ、大丈夫です。もう、気にしないって決めたので」
「それならいいが……。何が食べたい? ここのところ、きっとろくなもの食べてなかっただろ?」
な、何?
食事に行くの?
それに、そんな言い方しなくても……。
ハッ!
何時もだったら、こんなことで勘に障ることなんてなかったのに、今日に限っては昼間の一件があったからかな。自分だけ教えて貰えないという、被害妄想的な思いが芽生えてしまい、高橋さんのせっかくの厚意にも素直に喜べなかった。
「そんなことないですよ。ちゃんと食べていますから。あの……ご心配頂かなくても、本当に大丈夫ですから。すみません。もう、このまま帰ってもいいですか?」
何で、こんな酷いことを口にしてしまっているんだろう。分かっていても、自分でも止められなかった。まるで、高橋さんが何か悪いことでもしたように、罵るような言い方をして……。
何故だろう?
「何が、気に入らないんだ?」
「えっ?」
そう言うと、高橋さんが路肩に車を寄せて停まった。
「はあ……何なんだ?」
大きなため息をつくと、高橋さんが運転席からこちらへ体の向きを変えた。
「あの、別に……何でもないです」
「何を怒ってる?」
「高橋さんには、関係ないことじゃないですか」
「……」
「矢島さん?」
中原さんが、心配してくれている。
「す、すみません。何か、早とちりしちゃったみたいで、私の勘違いだったみたいです。お騒がせして、すみませんでした」
「そう……それなら、いいんだけど」
中原さんは、それ以上は何も言わずに、また視線を書類に戻してくれたので内心ホッとした。中原さん。心配して下さったのに……ごめんなさい。
高橋さんの言葉に疎外感いっぱいになりながら、伝票の整理と15日締めの処理に追われていた。
ようやく15日締めの処理が終わったので帰ることになったが、今朝、会社に来る前まではとても今日の帰りが楽しみだったのに、今はその帰る時間になってしまったことが憂鬱な気持ちに変わっている。
2階で中原さんと別れて、高橋さんと一緒に地下2階の駐車場に向かう途中、ふとランチタイムで社食に行った時にも、高橋さんからのメールを貰ったという会話を耳にしたことを思い出していた。
でも、私には関係ないことだと高橋さんに言われてしまい、何も分からないまま。こんなことだったら、まゆみに聞いてみるんだった。まゆみなら、何か知っていたかもしれない。
分からないとなると、尚更、気になってしまう。どんな内容なのか、想像すらできないし……。
「何、ボーッと一点を見つめて考え込んでいるんだ?」
エッ……。
気付くと、高橋さんの車はすでに会社の駐車場を出ていて、信号待ちで高橋さんがこちらを見た。
「いえ、別に何でもないです」
昼間の話を考えていたなんて、言えない。しつこいと、思われたくないもの。
「役員会の件、まだ気にしているのか?」
「い、いえ、大丈夫です。もう、気にしないって決めたので」
「それならいいが……。何が食べたい? ここのところ、きっとろくなもの食べてなかっただろ?」
な、何?
食事に行くの?
それに、そんな言い方しなくても……。
ハッ!
何時もだったら、こんなことで勘に障ることなんてなかったのに、今日に限っては昼間の一件があったからかな。自分だけ教えて貰えないという、被害妄想的な思いが芽生えてしまい、高橋さんのせっかくの厚意にも素直に喜べなかった。
「そんなことないですよ。ちゃんと食べていますから。あの……ご心配頂かなくても、本当に大丈夫ですから。すみません。もう、このまま帰ってもいいですか?」
何で、こんな酷いことを口にしてしまっているんだろう。分かっていても、自分でも止められなかった。まるで、高橋さんが何か悪いことでもしたように、罵るような言い方をして……。
何故だろう?
「何が、気に入らないんだ?」
「えっ?」
そう言うと、高橋さんが路肩に車を寄せて停まった。
「はあ……何なんだ?」
大きなため息をつくと、高橋さんが運転席からこちらへ体の向きを変えた。
「あの、別に……何でもないです」
「何を怒ってる?」
「高橋さんには、関係ないことじゃないですか」
「……」

