エッ……。
それ以上に、何か必要かって。そんな……。
「そ、そんな、そんなに簡単に、私には割り切れないです」
「割り切れないか。それでも、上司の命令だと思って三猿を守ってくれ」
「高橋さん……分かりました。頑張ってみます」
「いい子だ。オヤユビミドリイシちゃん。じゃなかったな、もう。さっきまでは、そうだったが」
高橋さんが、優しく頭を撫でてくれていたが、途中から何故か髪をクチャっとされていた。
「あ、あの、そのオヤユビミドリイシって何なんですか?」
「オヤユビミドリイシか?」
そう言うと、高橋さんはポケットから携帯電話を出して操作を始め、直ぐに私に画面を見せてくれた。
「オヤユビミドリイシ」
ハッ?
何、これ?
携帯の画面に映っていたのは、何とも奇妙な物体だった。
「あの、これって、食べる物ですか?」
「フッ……。お前は、本当に面白いことを言うな。これは、テーブル珊瑚の種類の1つで、緑がかったものもあることから、オヤユビミドリイシと言われてるんだ。どうだ? さっきのお前の姿に似てるだろう?」
「な、何、言ってるんですか。こんな……大仏みたいな……違います! 絶対、こんなんじゃありませんから」
「そうかあ? 俺には、どう見てもオヤユビミドリイシか鎧にしか見えなかったぞ?」
「絶対、違います。こんな大仏みたいに、沢山巻いてませんって」
「言い返せるぐらい、元気になって良かった」
高橋さん?
そう返事をした私に高橋さんは優しく微笑んでくれると、高橋さんの上に乗っていた私を静かに床の上に移動させてくれた。
「いつもの子供みたいにムキになって言い返す、その声を聞いて安心した」
子供みたいにって……。
「それじゃ」
「えっ? あ、あの……」
高橋さん。もう、帰ってしまうの?
「ケーキは、お前が全部食え。栄養つけて、明日からまた元気に会社に来い」
「で、でも、あの……」
「遅くに悪かったな。おやすみ」
「い、いえ。あっ、おやすみなさい」
お礼をいう暇もないまま、あっという間に高橋さんは出て行ってしまい、シューズボックスの上に置いてあった紙袋を持ってテーブルの上にのせて開けてみると、中には私が大好きなケーキが5個も入っていた。
「うわぁ、美味しそう。高橋さん。何で、私の好きなケーキの種類が分かるんだろう?」
思わず声が出てしまったが、直ぐに我に返ってさっきの高橋さんが言った言葉を思い出した。
三猿……私に、なれるだろうか?
それに、上司の命令っていうことは、やっぱり高橋さんは私のことは部下としか見ていないんだ。きっと……。でも、仕方ないよね。高橋さんぐらいの男性に、私が釣り合うわけないもの。噂がどんどんエスカレートしていって、何となく自分でも気づいていた。周りに言われるまでもなく、不釣り合いだってことに。
それにしても、高橋さんはオートロックをどうやって入ってきたんだろう? そんな些細なことが気になったりしていたが、寝る前だというのに美味しいケーキを食べて、今は幸せな気分になりながら眠りに就いていた。
それ以上に、何か必要かって。そんな……。
「そ、そんな、そんなに簡単に、私には割り切れないです」
「割り切れないか。それでも、上司の命令だと思って三猿を守ってくれ」
「高橋さん……分かりました。頑張ってみます」
「いい子だ。オヤユビミドリイシちゃん。じゃなかったな、もう。さっきまでは、そうだったが」
高橋さんが、優しく頭を撫でてくれていたが、途中から何故か髪をクチャっとされていた。
「あ、あの、そのオヤユビミドリイシって何なんですか?」
「オヤユビミドリイシか?」
そう言うと、高橋さんはポケットから携帯電話を出して操作を始め、直ぐに私に画面を見せてくれた。
「オヤユビミドリイシ」
ハッ?
何、これ?
携帯の画面に映っていたのは、何とも奇妙な物体だった。
「あの、これって、食べる物ですか?」
「フッ……。お前は、本当に面白いことを言うな。これは、テーブル珊瑚の種類の1つで、緑がかったものもあることから、オヤユビミドリイシと言われてるんだ。どうだ? さっきのお前の姿に似てるだろう?」
「な、何、言ってるんですか。こんな……大仏みたいな……違います! 絶対、こんなんじゃありませんから」
「そうかあ? 俺には、どう見てもオヤユビミドリイシか鎧にしか見えなかったぞ?」
「絶対、違います。こんな大仏みたいに、沢山巻いてませんって」
「言い返せるぐらい、元気になって良かった」
高橋さん?
そう返事をした私に高橋さんは優しく微笑んでくれると、高橋さんの上に乗っていた私を静かに床の上に移動させてくれた。
「いつもの子供みたいにムキになって言い返す、その声を聞いて安心した」
子供みたいにって……。
「それじゃ」
「えっ? あ、あの……」
高橋さん。もう、帰ってしまうの?
「ケーキは、お前が全部食え。栄養つけて、明日からまた元気に会社に来い」
「で、でも、あの……」
「遅くに悪かったな。おやすみ」
「い、いえ。あっ、おやすみなさい」
お礼をいう暇もないまま、あっという間に高橋さんは出て行ってしまい、シューズボックスの上に置いてあった紙袋を持ってテーブルの上にのせて開けてみると、中には私が大好きなケーキが5個も入っていた。
「うわぁ、美味しそう。高橋さん。何で、私の好きなケーキの種類が分かるんだろう?」
思わず声が出てしまったが、直ぐに我に返ってさっきの高橋さんが言った言葉を思い出した。
三猿……私に、なれるだろうか?
それに、上司の命令っていうことは、やっぱり高橋さんは私のことは部下としか見ていないんだ。きっと……。でも、仕方ないよね。高橋さんぐらいの男性に、私が釣り合うわけないもの。噂がどんどんエスカレートしていって、何となく自分でも気づいていた。周りに言われるまでもなく、不釣り合いだってことに。
それにしても、高橋さんはオートロックをどうやって入ってきたんだろう? そんな些細なことが気になったりしていたが、寝る前だというのに美味しいケーキを食べて、今は幸せな気分になりながら眠りに就いていた。

