高橋さんも明良さんも、そして仁さんもダイビングするんだ。3人の中で、明良さんがいちばんダイビングが上手いとか、知らないことを教えて貰えて何だか嬉しかった。
高橋さんは、その後もいろんな外国の海にダイビングに行った時の話をたくさんしてくれた。
「鮫に遭遇した時は、心臓停まった」
嘘!
鮫は、ちょっと怖い。私だったら、きっとパニックになってる。
そんなスリルな話を聞いて、必死に声を出さないように堪えながらも、高橋さんの話は楽しかった。何だか、自分も一緒にダイビング旅行に行っているような錯覚をしたりして……。
高橋さんの心地よい声のトーンに、時折、今この時を一緒に過ごしているのは本当に高橋さんなんだろうか。夢なんじゃないかと思って不安になり、高橋さんの脇に押し当てている右耳から聞こえてくる声と鼓動を聞いて実感し、その温もりを直に感じられて何度も安堵していた。
そんなこの上ない空間の中で、だんだん高橋さんの声が遠くに聞こえるようになってくると、それから、時々その声が途切れ途切れになってしまい、うとうとし始めていた。
もっと、高橋さんのお話を聞いていたいのに……。
「フッ……。この俺が、子守歌代わりにお話か……。お前は、いったいどれだけ……」
高橋さんの声は、そこで途切れてしまった。
正確に言えば、高橋さんの声が途切れたのではなく、私が眠りに就いてしまったからだった。
高橋さんのお陰で、その夜、何日ぶりかに安心して眠ることが出来た。
翌朝、寝返りを打とうと反対側に向こうとして、上手く向けないことに気づいて目が覚めた。
あっ……。
寝ぼけ眼でぼんやりとした視界の中に、額の辺りに高橋さんの顔が見えた。
ち、近い。高橋さんの顔。
それで一気に目が覚め、思考も働き出した。
そうだ。昨日、高橋さんの家に泊まったんだった。
疲れているのか、高橋さんはまだ眠っている。起こさないように、そっと高橋さんの腕からすり抜けてベッドから起きようとした。
うわっ。
だが、高橋さんの腕からすり抜けられるどころか、いきなりギュッと高橋さんに抱き締められてしまった。
「おはよう」
まるで高橋さんは、私が起きるのを待ってましたとばかりの顔つきだった。
「お、おはようございます。もしかして、もう起きてらしたんですか?」
「ああ」
きっと、私が起きちゃうからと思って、高橋さんは起きないでいてくれたの?
「すみません。それなら、起こして下されば良かったのに」
「いや……俺も夜中のお話とやらで、疲れてましたからねえ」
高橋さんは、その後もいろんな外国の海にダイビングに行った時の話をたくさんしてくれた。
「鮫に遭遇した時は、心臓停まった」
嘘!
鮫は、ちょっと怖い。私だったら、きっとパニックになってる。
そんなスリルな話を聞いて、必死に声を出さないように堪えながらも、高橋さんの話は楽しかった。何だか、自分も一緒にダイビング旅行に行っているような錯覚をしたりして……。
高橋さんの心地よい声のトーンに、時折、今この時を一緒に過ごしているのは本当に高橋さんなんだろうか。夢なんじゃないかと思って不安になり、高橋さんの脇に押し当てている右耳から聞こえてくる声と鼓動を聞いて実感し、その温もりを直に感じられて何度も安堵していた。
そんなこの上ない空間の中で、だんだん高橋さんの声が遠くに聞こえるようになってくると、それから、時々その声が途切れ途切れになってしまい、うとうとし始めていた。
もっと、高橋さんのお話を聞いていたいのに……。
「フッ……。この俺が、子守歌代わりにお話か……。お前は、いったいどれだけ……」
高橋さんの声は、そこで途切れてしまった。
正確に言えば、高橋さんの声が途切れたのではなく、私が眠りに就いてしまったからだった。
高橋さんのお陰で、その夜、何日ぶりかに安心して眠ることが出来た。
翌朝、寝返りを打とうと反対側に向こうとして、上手く向けないことに気づいて目が覚めた。
あっ……。
寝ぼけ眼でぼんやりとした視界の中に、額の辺りに高橋さんの顔が見えた。
ち、近い。高橋さんの顔。
それで一気に目が覚め、思考も働き出した。
そうだ。昨日、高橋さんの家に泊まったんだった。
疲れているのか、高橋さんはまだ眠っている。起こさないように、そっと高橋さんの腕からすり抜けてベッドから起きようとした。
うわっ。
だが、高橋さんの腕からすり抜けられるどころか、いきなりギュッと高橋さんに抱き締められてしまった。
「おはよう」
まるで高橋さんは、私が起きるのを待ってましたとばかりの顔つきだった。
「お、おはようございます。もしかして、もう起きてらしたんですか?」
「ああ」
きっと、私が起きちゃうからと思って、高橋さんは起きないでいてくれたの?
「すみません。それなら、起こして下されば良かったのに」
「いや……俺も夜中のお話とやらで、疲れてましたからねえ」

