さて、今日も頑張ろう。そんな気合いを入れて学校へ行った日の事だった。体育の時間、誤って転けてしまった。痛みに堪えれず母に連絡し迎えに来て貰い、学校を早退し病院に行くことになった。
結果、酷い捻挫だった。ドジを踏まなければこんなことにはならなかったのにと考えても仕方ないことを考えてしまう。
「結月、聞いてるの?母さんお金払ってくるから待ってて。」
「え、うん、わかった。」
「もう、この子ったら...」
骨折とかじゃなくてよかったけど、痛いなぁ
「君、もしかしてゆづちゃん?」
誰かにそう話しかけられパッと顔を上げた。するとそこには、黒髪で少し心配そうな顔をした私と同い年くらいの男の子がいた。私には見覚えがなく首をかしげていると、その子がさらに問いかけてきた。
「ほら!俺だよ~小さい頃に公園で遊んでてさぁ~急にいなくなっちゃったけど...あの時はごめんね?」
たしかにそんなこともあった気がする。一人で遊んでる子が気になって私が声を掛けたんだったかな。仲良くなったけど突然すぐいなくなっちゃった子。
「もしかして、ヒロくん?」
「せーかい!よかったぁ~覚えてくれたんだ!」
ヒロくんは安堵の顔を見せて笑う。その顔は幼い頃にみた顔と変わってなくて思わず笑ってしまう。
「ヒロくんどうしてここにいるの?」
「俺ね、ビョーキなの。だからここにいんのよ。ゆづちゃんは、捻挫?」
「う、うん。病気って大丈夫なの??」
「うん!今のところは元気!...ゆづちゃん、今度お見舞いに来てくれる?」
「うん、いく。」
「連絡先交換しよ?スマホかして!」
「いいよ。はい」
とスマホを渡すと素早い手付きで連絡先を交換し笑いながら去っていたと同時に母が帰って来た。
「あら、どうしたの?あの男の子知り合い?」
「うん、ヒロくんって覚えてる?」
「覚えてるわよ。貴方の初めての友達で引っ越していったのよね、たしか。もしかしてあの子が?」
「そうみたい。今入院してるみたいなの。でも連絡先交換したからまた話せるの!」
「また会えてよかったわね、結月。支払いも終わったから帰るわよ。」
「はぁい」
少し母に支えて貰いながら帰路についた。夕食を食べ終わり自室に戻るとヒロくんからメッセージがきていることに気付いた。