ひと駅分の彼氏

私は屋台のおじさんへお礼を行って再び歩き出した。


満開の桜が作るトンネルを抜けて石段を上がる。


元々お城があった場所なのであちこちに石段があり、段差はバラバラだ。


歩くだけで大変だけれど、こうして敵の侵入を拒んでいた歴史にふれることができて楽しくもある。


「あっちに登れば行き止まりなんだって」


真琴が奥に見えている石段を指差して行った。


石段の一番上には柵が設けられていて、人が謝って落ちてしまわないようになっている。


子どもたちが面白がってその封鎖された石段で遊んでいた。


「あれも敵が攻めてきたときのためだよね。仲間に後ろから押されて落ちた人もいるかも」


考えれば少し怖いけれど、そういう時代もこの街にあったのだ。


「もちろん、敵数を減らすことが目的だったろうからなぁ」


時々桜を写真に収めたり、歴史を感じる箇所でちょっと立ち止まってみたりしながら、私達は城跡の一番上までやってきていた。