ひと駅分の彼氏

☆☆☆

翌日、目が覚めるとひどい顔をしていた。


一晩中内で寝不足になった顔はとても人前に出られるものではなかった。


鏡の中の自分はまぶたが腫れ上がり、目の下は真っ黒だ。


「紗耶、学校に行く準備はできたの?」


なかなか部屋から出てこない私にしびれを切らしてお母さんが声をかけてきた。


私は布団の中から「今日は風っぽいから休む」と、声をかけた。


その声も泣いたせいで鼻声になっていて、お母さんんはすぐに信じてくれたようだ。


階段を降りていく足音を聞いてホッと胸をなでおろした。


こんなヒドイ顔を両親に見られたらなにを言われるかわからない。


最近はまた勉强を再開したのに、ガッカリさせてしまうかもしれない。


そう思うと、朝食に降りていく気分にもなれなかった。


制服に着替えることもせずに布団の中で悶々とした時間をつぶす。


柔らかくて暖かな布団に包まれているのに、一向に眠気はやってこなくて時間だけが気になった。


いつもの登校時間になると少しだけ布団から顔を出してみた。


窓の外に見える空は快晴で少しも寒くなさそうだ。


それでも私はまた布団に潜り込んだ。


もう今日は1日この状態で終わるつもりだった。


たまにはこういう日があってもいいと自分に言い聞かせて。