ひと駅分の彼氏

海へ行こうと決まった時にあれもこれも用意しようとしていた私を、真琴が止めたのだ。


バスで行くから荷物は最小限で。


海で借りられるものも沢山あるから。


そう言われて渋々カバンひとつでやってきたのだ。


本当は自分好みのパラソルやレジャーシートを用意したかったのだけれど、仕方がない。


それにバスに乗ってみて軽装で来てよかったと感じていた。


「すご~い、夏っぽいね!」


レジャーシートに横になり、2人でそれっぽいサングラスまでかけて夏を満喫する。


サングラスは真琴が冗談半分で準備してきたものだったけれど、夏の太陽から目を守るためには最適なアイテムだった。


「どうして水着を持って来なかったんだよ」


さっきから真琴は不満そうに唇を尖らせている。


「だって、恥ずかしいし……」


「せっかく海に来たのに入らないのかよ?」