シンデレラはもう帰れない。

*

 20分後。わたしは下駄箱でローファーに履き変え、外に出る。


「 羽留(はる)ちゃん、俺とチョコ、どっちが甘かった?」

 突然の名前呼びにドキッとする。

 わたしは外階段の近くで足を止めた。

「……分かんないから」


「 琉翔(るか)くん、もう少しだけここにいてもいい?」


「いーよ、 羽留(はる)」


 藤原(ふじわら)くんは誰にも見られないように、わたしを外階段の壁に優しく押し付ける。